第6話 コザンの商店街は楽し

9月21日(月)
 朝は7時くらいには明るくなり目が覚めるがしーんとしているので日記をかいていた。そのうち台所で物音がしだして、アリさんがパンを焼くところをみますか?と言いに来てくれたので大急ぎで外へでる。お母さんが外のかまどの前に座ってチャパティ風のものを焼いている。(昨日のお昼ごはんのスープを作っていたかまど)
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かまどの上にドーム状の鉄鍋をおいて、その上に薄くのした生地をのせて、裏おもてと焼いていく。こんな火で焼くからおいしいんだろうなーと思いながら見物。
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めん棒、のし台、おかあさんが座っているちいさないす、すべてがシンプルでキュート。

 朝ごはんはその焼きたてエキメキ、ホットミルク、サラダ、じゃがいも・ナス・ピーマンのソテー、藍子用にとオムレツ、はちみつでした。家族だけだからか、チャイも食後でなく一緒に飲む。焼きたてエキメキに野菜のソテーをくるんでも美味、生野菜サラダをくるんでも美味、もちろんオムレツをくるんでも。なんというかこの包む感じがたまらなく私は好きなのだ。食パンやフランスパンではこの感じは味わえないのだ。具の組み合わせも自由自在、楽しくて美味しいのだ!食事が終わるころ、モスクで前にイマームをしていたという人がやってきた。イマームというのは、モスクの牧師のような人(ちょっと違うのだが)。すっごくでかいひとで、石川君はモスクで会ったらしく、熊みたいな人が「はちみつは健康に良い」といいながら、すごいかたまりではちみつをばくばく食べてたよ〜といってた人でした。みんなと話をしていたかと思うと、突然テレビの音を消して、朗々と歌いだす。(歌ではないんだけど、まるで歌だ)。コンクリートの壁に響いて、腹からの声、こぶしが美しい。

 食後出発する準備をしてたら、このすてきなお家をでるのが名残惜しくなり、もう少し写真。
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高い天井から吊るしたカーテンがあちこちに。柄とコンクリートの壁の相性がまたよい。無造作感はねらってないからこそなんだろうな。
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がっしりした木の扉、いろとりどりのラグ。

子供たちが遊びにきたので表のテラスでひなたぼっこしながら、子供たちが風船で遊んでるのを眺める。時間が止まってる。
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言葉ができないときは、フーセンやボールあそびがとても有効だ!

ひなたぼっこしてたら、テラスの上のぶどうを息子さんが摘みはじめた。何にするのかは聞きそびれた。
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 すぐ出発するのかと思いきや、結局昼も食べていくことになる。メニューも結構残り物になってきた。ゆうべのマントウ入りスープ、肉のトマトスープ、皮みたいなエキメキ、トマトときゅうりのサラダはちょっと辛いししとうが時々効いている。あと細かいパスタ入りのピラフ、ちょっとずつロールキャベツみたいなのとか、ぶどうの葉でまいた料理とか、米が入ったナスのトマト煮など。ぶどうの葉を使った料理がよくあるのは、ぶどうの木がどこにでもあるからか!と納得する。

 食事が終わるとこんどこそ出発。田舎の村ともお別れだ。来る時は夜で眠っていて見れなかったので、村から街へと変わっていく車窓の景色を楽しむ。村の近くは丘が連なっているかんじで、ところどころに集落みたいに古い家が何軒かかたまっている。だいたいは畑になっているが、境界線がよくわからない感じ。丘は日本の山みたいではなく、うっそうと木が生えていたりはしない。丘の後ろには高い山がそびえている。畑はごまとかひまわり、とうもろこし、オレンジなんてのも。しばらくこんな景色を車で走っていると、だんだん高い山が遠くなってきて、平野が増えてくる。畑も四角く整った感じに。道沿いに防風林として木が一列に並んで植えてある。直線が増えてきた感じ。カラフルな新しい家がぽつぽつ増えてきたなと思ってる間に店とかが並ぶ通りになり、コザンに到着。そのうちの一軒の家で止まると中から子供たちが飛び出してくる。そこはギョクチェンのおうちでした。アリさんのお兄さんの家で、ギョクチェンと妹のアイビケ、日本好きのおにいちゃんとその弟の4人兄弟だったことが判明。こぎれいなかわいいおうちで、庭の果樹からもいだ梨とざくろ、あとくるみをいただく。

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ざくろの色が鮮やかで素晴らしい。

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くるみは殻を割りながら。大人も子供も木のカップの底でガンガンとたたいて割る。かわいそうなカップは底が欠けていた。

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キッチンをちらりと見せてもらう。棚に飾りをつけたりしているところがかわいい。

それからお兄さん一家とみんなでコザンの古い街へ行く。まずは街の真ん中にある古いふるいモスク。500年以上前に建てられたという石造りのかっこいい建物。こんなドームや塔を石組みで作る技術はすごいものだと感動。イスタンブールの有名なモスクもいいけど、こういう素朴なものに惹かれるわたしです。
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モスク中央のドーム。ひとつひとつの石がみえるところがすごい。

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ドームのまわりは回廊のようになっている。なんとなく美味しそうに思えてくる壁。

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2階に上る階段。年代を感じる。

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外に出ると、裏庭がある。木の配置といい、作られた庭の感じではあったが、なんだか妖精でもいそうな、ファンタジックな庭でした。

モスクをでて、みんなでぶらぶらと歩く。古い町並み、お店がいろいろ並んでいる。
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店と街路樹、道路とのフラットなつながりがかっこいい。
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ちょっとしたカフェ。緑がすごく茂っている。
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いろんなお店をのぞきながら、ギョクチェン一家とわたしたちと、大勢でおしゃべりしながらのぶらぶら歩きがなんとも楽しい。
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何かよくわからないが古い建物がたっていた。圧倒的な壁!
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エキメキ屋をみつけて入ってみる。
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石窯からエキメキが次々と焼きあがってきた。アリさんがいくつか買ってくれて、歩きながら食べる。焼き立てエキメキ!楽しい買い食い!
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食堂はこんな感じ
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お肉屋さんはこんな感じ
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ケバブ屋さんの壁(落書き風)
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ここは洋服屋さん(テーラーとでもいうのか?)大きな窓から中が丸見えで、すごいスピードでミシンをかけている。石川君はここで服をプレゼントされていた。

こういう田舎のちょっとした町並み、しかも歴史があって長い時間の人々の暮らしがそのまま残っているような町は本当に面白い。貴重だと思う。旅の楽しさは異文化の中に身をおくこと、暮らしを感じる町を歩くこと。

 そろそろ日も傾いてきたころ、雨がパラパラと落ちてきたのでそこでギョクチェン一家とお別れ。車でアダナのお兄さんの家(ルキエとベイザーのいる家)へ向かう。空は雨と午後の日光が入り混じってる。すると虹が! 大きな大きな虹がキラキラした空にかかっている。虹を見ながらのドライブ。広ーーい畑の中を地平線に向かって走る車窓から見ると、虹の付け根が見える。あそこはパワースポットなんだそうなといいながら、大きな虹と広い空と、遠近をつけて流れる雲と遠くゆっくり沈んでいく太陽をぞんぶんに楽しみながらのドライブだった。

 すっかり暗くなって、家に行くかと思いきや、レストランで車はとまる。アダナ名物のケバブ料理の店だった。ケバブとは焼き肉のこと。アダナケバブは挽肉に辛めのスパイスを効かせてハンバーグ状にして串につけて焼いたもの。
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テーブルにはカトラリーのほかにレモンとトルコパセリののった皿がすでにセットしてある。アリさんがオーダーすると次々と数種類の野菜サラダの皿がずらっと並べられる。赤玉ねぎ、トマト、レタス、玉ねぎ、ヨーグルト。そしてエキメキは平らにのばした生地を適当に切って焼いた風のもので、四角くて大きさがバラバラ。なくなるとどんどんもってくる。アダナではたいていおかわり自由なんだそうな。店内はかなり広く、入り口近くに大きな炭火焼きコーナーがあって、肉や野菜を炭火でどんどん焼いている。その奥には、コザンのエキメキ屋でみたような石窯のオーブンがあって、エキメキをどんどん焼いている。これはうまそうだ。運ばれてきた焼き肉とアダナケバブ、トマトやししとうのローストをエキメキを割ってはいろんな種類のサラダと組み合わせながらはさんで食べる。飲み物はアイラン(甘くないヨーグルトドリンク)、お兄さんちで飲んだシャルガムというピクルスみたいな味の酸っぱい飲み物、ももジュースなど。シャルガムはお肉を食べながら飲むのにすごくいい。胃がさっぱりして食欲増進する。どんどん食べてどんどん飲む。レストランの奥から突然花嫁衣装を着た人が出てくる。あれは結婚式?と聞いていると、アリさんが、実は今日親せきの結婚式をやっていますが見に行きますか?と言い出す。せっかくだから、と行ってみると、会場には村で会った人や子供たちが皆着飾って集まってきていた。ちゃっかり一緒に写真を撮ったりして。
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お兄さんの家(ルキエとベイザーの家)に戻り、テレビを見ながら引き出物らしきお菓子をあけると、カラフルなジェリー状の小さいお菓子がいっぱい入ってる。ゼリーより弾力があるがとにかく甘い!いかにも引き出物な感じのお菓子だった。アリさんと結婚式の話からイスラム社会での男女の役割のような話になる。イスラム教が男尊女卑の宗教と思う人もいるようだが、男女を区別して役割を守って暮らしている人たちを見てきて、それがうまくまわっている社会では、それは平和に暮らす知恵なのだということがわかってきた。自由と個人主義の行き着いた果ての社会とのなんという違い。
 今夜はルキエとベイザーの部屋を借りて休ませてもらう。藍子がベッドから落ちてもいいように、床にありったけのクッションを敷き詰めておいたら、やっぱり下で寝ていた。
posted by おかこ at 2010年04月08日 | トルコ